どうも元自動車整備士のエドです。僕は元々2級整備士として某大手ディーラーに勤務していました。
ですが、上司からのパワハラに耐えきれずわずか1年で退職。その後は半年ほどニートをして、元々自分で運営していたブログ知識を活かしてWEBマーケティングの会社に再就職しました。
それからは給料が倍になって仕事にも前のめりに取り組むことができるようになりました。
今の整備の仕事に満足が行っている方であればいいのですが、今この記事を読んでいる方は「整備士を辞めたい」と思っている方ですよね?
僕の経験則でしか語れませんが、僕が整備士を辞めた際の体験談を基に整備士が転職するまでの話などをしていこうと思います。
僕が整備士を辞めようと思った理由
冒頭でも説明しているように、僕が整備士を辞めた一番のきっかけは「上司からのパワハラ」です。怒声・暴力は当たり前で今だったら、何かしら対処されそうなことが平気で起きていました。
さらに拍車をかけたのが低賃金な上に月40時間以上平気で突破する残業。僕なんか定時にタイムカード切れ!とそのパワハラ上司に言われて、ただ働きさせられていましたから。
皆さんも、おそらく思い当たる節はあると思います。それでは改めて僕が整備士を辞めた理由に関して細かくお話していこうと思います。
上司からのパワハラ
整備士というのは体育会系が多く、上司もほとんどが高齢です。 40歳以上の方が特に多くて、その方々が新人だったころの教育はまさに軍隊のよう。怒声・暴力は当たり前の自体でした。
専門学校に通っていたころ、先生から「工具だって飛んできた!」なんて話を聞いて「なにその昭和!」なんて気楽に考えていました。まさか平成の世にそんな時代錯誤な現場があるなんて、この時は想像も現実味もありませんでした。
僕が受けたパワハラは暴力(殴る蹴る・工具投げつけられる)、言葉による暴力(罵詈雑言・人格否定・親への風評被害)など、パワハラ防止法に引っかかりまくりのブラック行動ばかり。
いま思えば証拠確保して訴えたら、会社からそれなりに慰謝料取れただろうなって考えますが、当時の僕は一刻も早く辞めたかったし、関係も断ちたかったのでそんな考え微塵も思い浮かびませんでした。
給料がバイトよりも低い
整備位は給料が低い!なんてよく言われますが、具体的に言いますと1年目の平均手取り給与13万円です。
2年目以降はこれに住民税が追加されるので、なんだかんだ1年目より低くなるか、以降もあまり変わらないかです。
僕が学生の時の夏休みのバイトですら週5日40時間の労働で約18万円は貰っていました。社会保険や雇用保険やらなんやら引かれるのは、社会人としてしょうがないですが「社会人はお金がある」という幻想を抱いていた僕にとって手取り13万円は絶望でした。
こんな給料で、パワハラにも耐えて…なんて考えたら、心も折れます。
10年勤めても給料が変わらない
さらに給与関係でもう一つ絶望したことがありました。
それは僕よりも10年先輩のフロントの方がぽろっと口にした「10年やって手取り23万なんだぜ」という言葉。ああ、これが未来の姿か…と考えたら、何とか繋ぎ止めていた希望の線がプチっと途切れましたこの瞬間。
そっから「整備士を辞めよう」「ディーラー辞めよう」と考える毎日に。
1年目ならまだ給料低いのはわかるし、10年で大きく給料が上がるのなら、まだ頑張る気にはなりますが、10年続けても自分の年齢分貰えないなんて夢が無いなぁと思いました。
過度に長い残業時間
整備士は給料が低いからと言って、残業代で稼ごうとします。他の職場でも言えることでしょうけど、基本給が少ないから残業して稼がないといけなくなります。
でも残業した分、自分の時間が無くなるし、疲労と休息のバランスが大幅に崩れて、大体4連勤目あたりで家帰って速攻寝る生活になります。
これが延々と続くのか…と考えてこれまた絶望してしまいました。他の方々がそんな気持ちだから早く帰ろうなんて微塵もなく、月40時間以上の残業は平気でします。
36協定なんてくそくらえ!です。
現場全体がこんな調子なんで売上はそりゃあ上がってました。営業もたくさん仕事入れてくるし、忙しくなります。疲れがたまる一方で、上司はそんな溜まったイライラを僕で発散する毎日。悪循環ですね。
最終的にバックレました!デメリットしかない
上司からパワハラ暴力に耐えきれず、その他給与面や過酷な労働環境に嫌気が差して、アッサリと逃げ出そうと考えました。
僕がディーラーを辞めたのが年末年始休み明けの出勤日。いつも通り、会社に向かう車中でまた地獄の日々が始まるのか…と考えた途端、気が付けば会社とは逆方向の道をひた走っていました。
いわゆるバックレです。
まさに 職務怠慢、 敵前逃亡、蒸発の至れり尽くせり。
いま思うと本当にとんでもないことですが、僕は会社をバックレで退職するに至りました。もちろん、簡単に退職とはならず、バックレ当日は精神崩壊するかと思いました。
時系列ごとに僕の身に起きたことをお話していきます。
9:00 出勤時間。なぜか僕は会社と逆方向に車を走らす
9:30 朝会。僕がいなくて鬼のように電話が来る
10:00~12:00 お昼過ぎまで携帯の電源を切って現実逃避ドライブ
12:00 無数に残る着信履歴。中には親からも。とりあえず親に折り返し
13:00 諸々親から事情を聴き状況把握。工場長実家、父の工場にまで顔を出す。
14:00 意を決して工場長に電話。泣きながら「辞めます」と伝える
15:00 精神的にとても落ち込んだタイミング。とりあえず車の中で寝る
23:00 親が寝静まったタイミングで家に帰り、また寝る
翌朝:ニート生活開始。
電話が鳴りやまず
まず、朝会が始まった時間くらいで鬼のように電話が来ました。2つ上の先輩から電話とLINE。そして工場長から5分おきに着信。しんどくなって携帯の電源を落としました。
声も聴きたくないし、電話に出たらひたすら説得されて収集付かないんだろうなぁと楽観的に考えながらしばし、現実逃避の旅をしていました。
解放感と後ろめたさを携えながら、あてもなく車を走らせていました。
実家や親の実家にも来られる
お昼ごろ。さすがに外界の様子が気になった僕は、携帯の電源を入れてみる。
すると鬼のように着信履歴が残っていました。余裕で100件は越しています。その中に親からも着信があるのを確認。
さすがに親にも連絡がいくよな…と考えて、母に折り返しました。もちろん怒られたし、心配もされた。
当人からすると、仕事をバックレたことよりも、あの職場に行くことが当時の僕にとっては苦痛で仕方なかったです。その旨を伝えて、バックレたことは親に謝罪し、逃げるのも疲れたので意を決して工場長に電話しました。
怒られはしなかったものの、仕事どうすんだ?と言われて、辞める意思をその場で伝えました。泣きながら。
改める気はないか?となんども言われたが、会社行くのも怖くてこの調子で仕事なんか続けられません。
納得はしていなかっただろうけど、とりあえずその日は会社に行かなくて良くなりました。
翌日、考えた上で電話してほしいと。僕の中ではもう辞める以外の選択肢はありませんでしたが、電話を早く終わらせるために、その場はそれで話を終わらせました。
現実逃避睡眠
何か嫌なことがあったとき、皆さんはひたすら寝ることありませんか?僕はその日、実家からも会社からも遠く離れた地(片道約2時間)のド田舎コンビニ駐車場で爆睡してました。
何かあったら寝るに限る。
そして眠りから覚めて約19時ごろ。定時が過ぎて残業タイムに移っている頃だろう。夕暮れ時の寒空の車内で、ぼーっと今日のことを考えていた。
同時に開放感も味わい、とりあえず逃げ切れたか…と安心してその日は23時ごろに帰宅。また寝ました。
退職の手続きは会社に行ってきました
それから数日して、僕は自由奔放のニート生活を歩んでました。
その時は趣味でやっていたブログで日に数千円の広告収入を得ていたので無一文は避けられたから多少の安心感はありました。
バックレという方法だったけど、あれだけ絶望を感じていた仕事に行かないという現実は、僕にとってはとても救いでした。
そっからは一度、勤めていたディーラーに顔を出し店長&工場長と対面。退職の手続きを行いました。あとは本社にも足を運んで、人事担当から「非常に残念です!」とめちゃくちゃに責められたけど、もう辞める身からしたら、その人の言葉なんて何も刺さらなかったです。
その後、人事のもっと偉い人達がいる部屋に呼ばれて、その人達の前で例とパワハラ上司について話をしました。「この件は公にしないでほしい。君への気持ちは振込給料に沿えておくから」と言わて、その場で合意した。
最後の給料振込日。入金された金額は今まで多かった。
そんな感じで、精神的にはとてもつらかったけど、無事に退職することができました。
整備士を辞めて変わった事
ディーラーを辞めてから、実家の工場を手伝ったりしたけどやはりお金が貰えない。なので僕は当時運営していたブログを頑張って、それをメインの収入としていた。それこそ整備士の給料と同じ金額だけど、僕にとって価値の高い収入だった。
僕の環境は本当に劣悪で、この記事を書いているだけで当時のことが鮮明によみがえる。あの時の感情とか。その時と比較して、今がどれだけ救われた環境かが分かります。
整備士を辞めて半年ほどニートした後、ほぼ未経験でベンチャーのWEBマーケの会社に入社しました。社員数5人程度(内1人は代表)の小さい会社だったけど、楽しく仕事ができました。
嫌な職場からの解放
一番大きかったのがコレです。地獄のような職場から解き放たれた解放感はひとしおです。
同じ給料をもらうなら、絶対自分が苦しまない職場の方が良いです!これは断言できるし、耐えることに意味はありません。
この時のトラウマが大きくて、再就職した時は会社の雰囲気をすごい重視した。業務内容を見るよりも、どんな人がその職場にいるのか?を調べてました。
手取り給料が倍になった
僕がWEBマーケの会社に入社した時、個人でブログを運営している程度でスキルなんてほぼ無かった。前知識はある程度あったので、他の方が喋っていることはなんとなく、分かったのですが実践スキルがほぼ無くて大変でした。
それでも給料は以前の倍近く貰えました。しかも手取り。
その会社がそもそもお金あった上に、僕への投資だ!と言ってくれて、給料を払うことに前向きでいてくれました。
もちろん、その分頑張ろうとも思ったし、結果も出せたのでやはり誰が上司になるかは非常に大事だなと感じます。
仕事が好きになった
そんな調子なので、仕事が好きになったし、前向きに取り組めるようになりました。色々な知識も身に就いたし、あの頃より格段にスキルは上がってます。
たまに、前職と比較して考える時がありましたが、昔を想うと嫌な気持ちばかりがよみがえって今の方が断然良いと胸を張って言えます。
整備士の転職先は何がいいのか?
僕は転職することで大きく人生が変わりました。整備士を続けていたら、ダメだったとは言いません。単純に僕が配属された部署が良くなかった。
それでも、専門の時の友達からは「転職したいんだけど何すればいいかな?」と相談を受けることがあります。
結論としては「自分の興味のある分野に行けばいい」としか言えません。
どんな仕事が良くて、どの仕事がダメ、というのは統計的にはあるかもしれませんが、個々人によって合う合わない仕事は変わってきます。
ここでは整備士の方が転職する際に、少しでもアドバイスができればなという思いで、解説をしていきます。
同業種の場合は民間工場が良い
これは僕の中の統計的な感想でしかないんですが、民間工場だと比較的緩い会社が多い印象です。
給料はディーラーと変わらないかもしれませんし、下手したらボーナスも低いです。
辞める理由が「給料が低いから辞めたい」なら、そもそも同業種の転職はおすすめできません・
「整備士も続けたいけど給料が低いのが嫌だ!」だと正直転職は難しい。これらは相反するものだと考えてもらった方が良いです。
異業種なら自分の興味のある仕事
「整備士を続けるのが辛くて辞めたい」「整備士を続けるモチベーションがない」という方は次は自分のすきなジャンルへ挑戦するのもアリです。
やっぱり仕事をしていて、とても前向きになれる上にやっていて楽しい仕事をすると幸福度が全然変わります。
「整備士の仕事は好きだけど、給料が低い」と考えている人には合わないかもしれません。
人間みんなはじめは未経験からスタートです。実際、未経験スタートの求人もたくさんあります。不安さえぬぐえれば、今の悩みは解決することができるんです。
整備士はやりたくないけど他の仕事をやるのも不安
整備士は辞めたいし、給料も上げたいんだけど転職するのが不安…と言う方はかなり多いです。
正直、仕事を辞めることも知らない業界に行くことも不安な気持ちもあります。やはり環境を変えるってものすごいエネルギーを使いますよね。
そんな人は異業種だけど転職ハードルが低い仕事を選ぶと良いです。
工場の仕事なんかは比較的採用率も高く、未経験でも作業内容が簡単なのでおすすめです。ちなみに僕は日銭を稼ぐために一時期派遣の仕事もしていました。
荷物の積み下ろし作業ですが、時給2,000円くらいと非常に高かったです。まあ、物が家電でめちゃくちゃ重いんで、力に自信がある人じゃないと厳しいですけどね。僕は整備士自体に絶妙に筋肉はついていたので、特に大変ではなかったです。
整備士が転職時に考えるべきこと
僕の場合、転職を考えるより先に仕事をバックレて辞めていたので、まったく無計画で退職してしまいました。
まあ精神的に追い込まれていたので、状況として仕方ないと言えば仕方ないのですが「特に職場で大変な思いもしていないけど、退職は考えている」と、余裕があって転職を考えている人は、多少の準備はしておいた方が、再就職までの期間、めちゃくちゃ楽になります。
退職金や失業手当は貰えるようにしておく
仕事を辞めた後に直面する問題は、やはり金銭面の問題です。
僕の場合、給料も低くボーナスもほぼ無し。8か月しか勤務していないので退職金も支払われなかったです。おまけに、失業手当の条件も満たしていなかったので本気の無一文。
働きたくないけど、働かざるを得なくなりました。そのため金銭面では本当に苦労しました。なので退職金や、最低でも失業手当は貰えるタイミングで退職をしましょう!
失業手当(失業保険)とは?
失業手当(失業保険)はいわゆる雇用保険のことを指します。毎月、皆さんの給与から微妙に引かれている物になります。雇用保険には必ず加入させないといけない義務があるので、入ってないよな!?と心配される必要はありません。
そして、この雇用保険。退職後に効果が発揮されます。
雇用保険とは
労働者が失業・休業した際に金銭的なサポートを行うための保険
失業等給付(求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付)などがあります。
雇用保険の事業内容には様々な給付はあり、特に「失業等給付」が退職者に関係してくる内容になってきます。これがいわゆる失業手当と思って大丈夫です。
ただし、その失業手当を受け取るには以下の条件が必要になってきます。
雇用保険の加入期間が12か月以上あること
最低でも1年以上は雇用保険に加入していないと、失業手当金を貰うのは難しいです。実際はもっと複雑な条件などもあるのですが、主に関係してくるのがこの1年縛りです。
僕はわずか8か月で辞めてしまったので、この失業手当を受け取ることができなかったのです。なので整備士の方々じゃ辞める際は最低でも1年は勤務しましょう!
まあ、ほとんどの人が1年以上は続けると思いますが、1年満たないで辞めてしまうのはよっぽど会社が悪いです。
整備士を続けることに疑問を持ったらよく考えよう
ここまで、僕の体験談をベースに解説をしてきました。バックレたりなど、クズだなんだと思われる方も多いと思います。それはそれでいいと思ってます。大事なのは自分の心身なので自己防衛と割り切ってほしいです。
整備士を辞めたい方でパワハラに悩んでいる人もいると思います。もしくは給料。本当に給料も悪いですよねーー
今の職場が本当に正解かなんて、正直答えはありません。疑問を持ったら考えて10年先に理想とする自分がそこにいるのが現実的かを考えてみましょう。
それでは