掟上今日子の備忘録の人気はなぜ出たのか?ガッキーの影響だよね

2017年3月20日書評

人気という人気だったかは、正直わからないけども、ドラマ化されて一気に話題になっていた。

主人公の白髪の探偵”掟上今日子”を新垣結衣ことガッキーが演じたことで、一気に人気に火がついたような感じだった。

かくいう僕も後から食いついた派だ。

本屋に行けばやたらと展開されており、部数も結構売れているようで、どっさりと積まれたその単行本を見て、ついつい購入してしまった。

やはりああいったマーケティングの仕方は売れてしょうがないだろう。完全にマジョリティ思考ではあったが、どうにも気になって仕方がなかったのだ。

僕はあまりテレビを見ない族なので、掟上今日子というコンテンツがどういったものなのか全く認識できていなかったが、これを機に、話題の掟上今日子作品に触れてみようという気持ちも少なからずあった。

おおよその情報で、白髪で記憶が一日しか持たない。

くらいしか把握できていなかった。

実際その情報だけを聞いていたら、ただのボケてるババアになるのだが、さすがにそんなんがここまで話題になるわけがないだろう。

何かしら秘密があるはずだ。絶対に探ってやる。僭越ながら。

魅力的な2人の主人公

一応だ。一応主人公は”掟上今日子”さん。探偵だ。

置き手紙探偵事務所の所長。年齢は謎だ。

この物語は、探偵モノになるのだが、今まであったようなものではなく少し特殊な設定が加えられている。

忘却。

これが今回の作品を語っていく上で必ずや欠かせないポイントになる。

というかこれなかったら、ただ淡々と探偵してるだけになる。ただ事件を追っているだけだ。

忘却とは、一体どういうことなのか説明しよう。

ただの忘れっぽいだけならまだ可愛いものだ。

というかそんなんじゃ探偵も務まらない。それではどういうことか。

一日だけなら今日子さん、類い稀なる記憶力を発揮する。

果たして本当に忘却探偵なのか際どいところだが、一日だけならものすごいのだ。

そんな彼女が記憶を失うきっかけが睡眠。

大概の人間が一日の終わりに眠りにつくが、この行為が、今日子さんにとっては一生の終わりに近い。

だって寝てしまったら記憶を失ってしまうのだから。

なので彼女の仕事である推理、事件は一日で完結するものなのである。

もしくは終わらせる。

ゆえに付いた二つ名が「最速の探偵」である。

どんな事件でも一日で解決してしまう、依頼者からしたらとても強いキャッチコピーになる。

なので今日子さんの事務所には毎日のように変わった依頼が入ってくる。

今回取り上げる、「掟上今日子の備忘録」では全部で3つの事件が絡んでくる。いわゆる一話完結型であるので、テンポよく読める。

この忘却探偵シリーズは巻によって、一話完結だったり、一巻丸々同じ事件だったり、多様だ。

この「掟上今日子の備忘録」はシリーズ第1巻にあたり、掟上今日子という人物を知ってもらうためか、全て一話完結である。

最初の事件はとある研究所で起きた事件。

内容は大事なデータが入ったSDカードの紛失であった。そして疑われたのがこの研究所にアルバイトとしてきていた”隠館厄介”だった。

隠館厄介がこのシリーズのもう1人の主人公と一重も過言ではない。

物語の語り手的存在で、今日子さんの助手的位置を担う存在だ。

探偵ものでよくあるバディもの。ワトソン的ポジションだ。

しかしそんなありきたりな登場人物と違うのが、彼の特異体質。

体質というのか定かではないが、彼はこういった際に真っ先に疑われる不幸体質の人間だったのだ。

この体質が災いして、この先、何度か”置き手紙探偵事務所”にお世話になるのだが。

今回の研究所の事件でも真っ先に疑いの目を向けられる厄介。

内心またか・・と思いつつも、いい慣れたセリフと共に今日子さんを召喚した。

「探偵を呼ばせてください!」

掟上今日子の魅力

ガッキーの話じゃないですよ。今回まったくドラマには触れないで進むつもりなので。

トラブルメーカーの隠館厄介が事件を呼び、今日子さんを召喚するというのが、この物語の大体の流れ。

巻数が進むといろんなキャラが事件を今日子さんに依頼して、その人が相棒になるのだが、最も多いのがこの隠館厄介というキャラ。

最新刊の「掟上今日子の旅行記」でも終始、掟上今日子の相棒を努める。

そうやって人様の為に仕事を引き受ける今日子さんではあるが、実は結構なお金好き。

依頼料もかなり割高らしいが、それでも「最速の探偵」のブランド名は只者じゃないようで。

痛快なほどにテンポがいいので、気がついたら謎が解けている。

著者、西尾維新の言葉遊びも健在で、読んでて面白くなってくるのだ。

僕はこの作品で初めて西尾作品に触れたが、聞いてたほどに言葉遊びが匠だった。

キャラの名前も然り、その文中に出てくる言い回しさえも気持ちのいいほどに言葉がハマる。

今までにない追い込まれて窮地に立たされるような探偵ものとは違い。

あまり危なくもなく窮地に立たされない。

しかも主人公が至って冷静に事件を解決する様が、こちらとしても読んでいて何んとも爽快なのだ。

いってしまえばスリリングさは皆無にしろ、また別の爽快感のようなものはある。

忘却探偵シリーズ。全8巻発売されているが、未だ今日子さんの謎も解けないまま。

なのでこれから先の展開次第では、スリリング要素もまだまだ期待できそうではある。

次巻が楽しみである作品の一つ。

アディオス。

2017年3月20日書評