平成最後のバンド漫画『バジーノイズ』 音楽なんて売れないのか?

2018年10月23日ブック

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『平成最後の夏』というトレンドがSNSで大流行したけど、どうせ来年も『〇〇最初の夏!』とか言ってはしゃぐんだろう。

そんなトレンド文化には疎い僕だけど『平成最後』のトレンドワードを使ってしまった。

それくらいこの『バジーノイズ』という漫画、現代を象徴する漫画になっていると僕は思う。

ただでさえトレンドが移りやすい世の中だけど、ここまでジャストに捉えている作品は素晴らしい。

おれひとり、PCいっこ

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バジーノイズを象徴するこの一言。僕はすごくコレわかるなぁ

趣味1個あれば、後はなんとかなるものです。

僕も唯一最近の趣味と呼ばれるものは音楽くらいなもので、家にこもってDTMで曲作るか、ギター弾くか、好きな音楽聴くかくらいしかしない。

いやほんとしない。

かと言ってプロになろうなんてきも毛頭無いわけで・・

「プロになって食っていく」

というのが現実的に考えて難しくて、自分の音楽を売っていくなんて到底想像できないわけで

そんな僕の気持ちとシンクロするようにこのバジーノイズの主人公・清澄は超ミニマリズムな生活を送っている。

音で満たされる部屋

音楽好きな人にとってはわかるかもだけど、部屋が機材まみれでさ、スピーカーいいのあって、自由に音を鳴らされる空間って憧れるわけですよ。

「え?お前の趣味それだけなん?」とか寂しいやつだななんて思う人いるかもしんないけど、実際そんなもんじゃないか?趣味なんて。

バジーノイズを読んでいると、そんな自分の中にある音楽欲がふつふつと沸き起こる。

巡り巡って音楽しか趣味がない、なんて人にはぜひ読んでもらいたい。

音楽×恋愛

今までのこういった音楽漫画って、夢に満ち溢れた主人公がいて、それを取り巻く個性的なメンバー及び天才的な才能を持った仲間がいて、紆余曲折を経てデビューして…

なんて流れだと思う(BE〇Kが)

ただそれとは違ってこの漫画は非常に近代的で、主人公の性格も今の10代後半から20代に見られる、成功に興味が無く、平坦な人生を歩みたいと考えている。

それに付きまとう典型的サブカルメンヘラ女・潮

読んでてすごく既視感があったキャラクターが潮。

自己顕示欲の塊でパーソナルエリアが存在していないタイプの女である。

このヒロインが主人公といい対比になっていて

清澄は趣味が一つだけあれば満たされるタイプ

潮は色んなものが好きでそれぞれが満たされたいタイプ

と、価値観の全く異なる2人の恋愛模様もこの漫画の醍醐味になっています。

下手な恋愛漫画にあるようなトキメキを感じさせることなく、2人の仲は奇妙に早く近づいておそらく関係持ったくらいになってるんだけど、やっぱ価値観というか雰囲気が今だなって思う。

付き合っても1年くらいで別れそうだけどね。

清澄の音楽バズる

天才的な才能を持った主人公が〜

て展開はこういった漫画にはありがちだけど、それがSNSで広がっていくというのが、絶妙なリアリティがあって面白かった。

未だに売れないバンドマンはこれ読んだら夢持っちゃうんだろうか。

世間に興味がないといったふうな清澄だが、そのバズをきっかけに徐々に音楽活動を外へ外へと向けていく。

自室に篭もって自己満ですんでいた音楽が徐々に外に出ていく流れに、特別嫌悪を抱かない清澄がまたなんとも言えぬ。

お前も口では「音楽なんて売れない」なんて言っときながら本当は売れる気満々じゃねえかと

音楽作ってる人間は夜に認められたいものなんだよなやっぱ

そんなこんなで路上ライブをやる所で1巻は終わるわけです。

2巻からはバンドメンバーを集めて本格的に活動を始めていくのだろう。

バジーノイズのバジーという意味は、噂になるや、ブンブンいうという意味があるらしい。

徐々に広がる清澄の奏でるノイズがどんな風に広がりを見せるのか、続きが非常に楽しみです。

外でも読みたいがために電子書籍と単行本、両方買ってしまった。みんなも読んでみてね。アディオス。

2018年10月23日ブック